『差別の禁止×合理的配慮』
障害者差別解消法は、障害者基本法が示す「差別の禁止(4条)」と「合理的配慮(7条)」という理念を、行政機関や事業者が実際に守るべき具体的な行動ルールとして定めた実施法。その考え方には社会モデルが反映されている。
★合理的配慮は特別扱いではなく、社会的障壁を取り除くための制度的な調整。
【2つの義務:差別の禁止・合理的配慮】
| 不当な差別的取り扱いの禁止 | 合理的配慮の提供 |
|---|---|
| 障害を理由に、障害者でない者と 不当な差別的取り扱いをすることにより、 権利利益を侵害してはならない。 ・障害を理由に入店拒否、予約不可等 ・交通機関の利用の拒否 | <3つの要件> ◍社会的障壁の除去を必要としている本人の意思表明があり ◍実施に伴う負担が過重でない時、 ◍障害者の権利利益を侵害しないように、 性別、年齢、障害の状態に応じて、合理的配慮をしなければない。 |
【目的と定義】
| 項目 | 障害者差別解消法より抜粋 |
|---|---|
| 目的 第1条 | ・障害の有無で分け隔てられない共生社会の実現 ・障害を理由とする差別をなくすための仕組みを整備 |
| 定義 第2条 | 【障害者とは】 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害含む)、その他心身の機能障害があるものであって、 障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの をいう。 【社会的障壁とは】 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような 社会における物事、制度、慣行、観念その他の一切のものをいう。 |
【障害者差別をなくす”仕組み”】
- 行政は”制度を運用する側”で、第10条に基づき自ら対応要領を作成する。
- 事業者は”制度を遵守する側”で、第11条の対応指針に従って差別禁止と合理的配慮を行う。
| 項目 | 仕組み |
|---|---|
| 環境整備 第5条 | 社会的障壁の除去の実施についての必要な合理的配慮を的確に行うため、 設備の構造改善や整備、関係職員への研修、その他環境整備に努めなければならない。 (行政機関等、事業者) |
| 国 第6条 | ・基本方針を作成。 |
| 行政機関 第7条 | ・基本方針に即して第9、10条により定めた、国職員の対応要領を運用する。 (国等職員対応要領、地方公共団体等職員対応要領) ・不当な差別的取り扱いの禁止(義務) ・合理的配慮の提供(義務) |
| 事業者 第8条 | ・第11条により定めた事業者の対応指針を遵守する。 ・不当な差別的取り扱いの禁止(義務) ・合理的配慮の提供(2024年から義務化) |
【制度改正の年表】
| 改正年 | 改正内容 |
|---|---|
| 2013年成立 2016年施行 | <合理的配慮について> ・行政機関の義務化 ・事業者の努力義務 |
| 2021年改正 2024年施行 | <合理的配慮について> ・事業者の義務化 |
《カテゴリー》制度を知る
<参考>障害者差別解消法(厚生労働省、福祉小六法)
