『不当×正当』
障害者差別解消法の”不当な差別的取り扱い”を対応指針から要約してわかりやすく表にした現場向けの記事です。不当と正当の違いとは?
1.不当な差別的取り扱い(具体例)
| 項目 | 具体例 |
|---|---|
| 不当 (正当な理由なし) | ・漠然と「危険が想定される」など抽象的理由で利用を拒否する ・医療的ケア、重度障害、多動などを理由に一律でサービス拒否 ・補助犬の同伴拒否 ・正当な理由なく別室対応、時間制限、順番後回し ・障害者だけに保護者同伴など特別な条件を付ける ・本人を無視して支援者だけに話す、尊厳を損なう言動 |
| 正当 (正当な理由あり) | ・畳を保護するため敷物を敷くなど、事業者の損害防止のための対応 ・代筆時に本人の意思確認を行う(プライバシーに配慮した範囲) ・安全確保、事業目的の維持など、客観的事実に基づく理由がある場合 ・事業者が本来提供していない業務を求められた場合の拒否 |
2.障害種別ごとの主な特性と主な対応
| 障害種別 | 主な特性 | 主な対応 |
|---|---|---|
| 構音障害 |
・言葉が聞き取りにくい ・発声・発話の運動機能の障害 |
・丁寧に聞く姿勢 ・会話補助装置の活用 |
| 失語症 |
・聞く・話す・読む・書くの言語障害 ・長い説明や早口が理解困難 |
・ゆっくり短く話す ・絵・写真・漢字・ジェスチャーで補助 ・「はい/いいえ」で答えられる質問 |
| 高次脳機能障害 |
・記憶・注意・遂行機能の障害 ・感情コントロールが困難 ・外見から分かりにくい「見えない障害」 |
・メモ・手順書・チェックリスト ・こまめな休憩、刺激の調整 ・興奮時は話題・場所を変えてクールダウン |
| 知的障害 (てんかんを含む) |
・理解・判断・計算・会話などに困難 ・社会生活に援助が必要 ・てんかんを合併する場合あり |
・ゆっくり・分かりやすく説明 ・ルビ付き文書・簡易表現 ・写真・絵・ピクトグラムの活用 |
| てんかん (精神・神経) |
・発作が突然起こる可能性 ・疲労・ストレス・光刺激で誘発されやすい ・外見から分かりにくい |
・発作時の対応手順を共有 ・光刺激・過度なストレスを避ける環境調整 ・本人・家族から誘因を事前に確認 |
| 認知症 |
・記憶障害・見当識障害・判断力低下 ・不安・混乱・徘徊・感情変動 ・外見から分かりにくい |
・ゆっくり・繰り返し説明 ・環境を変えすぎない(混乱防止) ・安心できる声かけ、刺激の少ない環境 ・否定せず受容的に対応 |
| 発達障害(ASD) |
・コミュニケーションの困難 ・強いこだわり・感覚過敏 |
・具体的・視覚的な説明 ・スモールステップ支援 ・音・光・温度など感覚調整 |
| 学習障害(LD) |
・読む・書く・計算が極端に苦手 ・話す・理解は問題なし |
・ICTで文字拡大・行間調整 ・課題量の調整 ・得意な方法で理解・表現 |
| ADHD |
・不注意・多動・衝動性 ・集中が続かない、ミスが多い |
・短く明確な指示 ・気が散りにくい環境づくり ・こまめな評価とストレスケア |
| その他の発達障害 (チック・吃音など) |
・不器用さ、チック、吃音など ・本人の努力では抑えられない場合あり |
・叱らない・笑わない・ひやかさない ・時間をかけて待つ ・得意なことを活かせる環境づくり |
| 障害種別 | 主な特性 | 主な対応 |
|---|---|---|
| 視覚障害 (視力・視野) |
・視覚情報が得にくい/得られない ・点字・読み上げソフトを使用 ・明るさ変化や移動が困難 |
・音声・点字など視覚以外の情報提供 ・指差し表現を避け具体的に説明 ・通路に物を置かない、照明の配慮 |
| 聴覚障害 |
・外見から分かりにくい ・手話・筆談・口話など複数手段 ・補聴器は残響音が苦手 |
・手話・文字表示・要約筆記 ・磁気ループなど補助機器 ・音声のみで話さず視覚情報併用 |
| 盲ろう (視覚+聴覚) |
・視覚と聴覚の重複障害 ・コミュニケーション手段が多様 ・孤立しやすい |
・触手話・指点字など代替手段 ・状況説明を丁寧に伝える ・専門機関への相談 |
| 肢体不自由 (車椅子) |
・脊髄損傷・脳性麻痺など ・段差・坂道が大きな障壁 ・日常動作に援助が必要 |
・段差解消・スロープ設置 ・車椅子が入る机の高さ調整 ・目線を合わせて会話 |
| 肢体不自由 (杖・義足) |
・歩行は可能だが疲れやすい ・階段・段差が困難 ・人混みが苦手 |
・エレベーター・手すり設置 ・滑りやすい床への配慮 ・杖置き場・椅子の用意 |
| 上肢障害 |
・手指の欠損・可動域制限 ・物を掴む・持つ動作が困難 |
・ドア・鍵の開閉補助 ・蓋開け・機器操作の補助 ・食事の一口カットや配膳補助 |
| 内部障害 |
・心臓・呼吸器・腎臓などの機能障害 ・疲れやすい、長時間作業が困難 ・医療的対応が必要 |
・ペースメーカーへの配慮 ・人工肛門設備の配慮 ・呼吸困難を避ける姿勢・話し方 |
| 重症心身障害 医療的ケア |
・重度の肢体+知的障害の重複 ・人工呼吸器・胃ろうなど医療的ケア ・言語コミュニケーションが困難 |
・大型車椅子での移動支援 ・温度変化への配慮 ・医療機器の衛生管理 |
《カテゴリー》現場の方向け
<参考>福祉サービス事業者用のガイドライン(障害者差別解消法・対応指針)