障害者雇用で長く働き続けるためのポイントを解説
障害者雇用では、
採用率だけでなく、職場に定着できるかどうかが重要な指標です。
定着率が低い場合、以下のような問題が発生します。
- 採用コスト増加
- 現場の負担が大きくなる
- 障害のある方(本人)のキャリア形成が難しくなる
障害者雇用の成功は「採用」ではなく、
「定着」によって判断されることも少なくありません。
障害者雇用で定着率が低くなる主な原因
| 主な原因 | 理由 | 例えば |
|---|---|---|
| 仕事内容とのミスマッチ | 仕事内容が障害特性に合っていない場合、 ➡離職につながりやすくなります。 定着率向上の第一歩は、採用前のマッチングです。 | ・業務量が多すぎる ・苦手な作業が多い ・必要なスキルが不足している など |
| 人間関係の問題 | 職場の人間関係は、 ➡定着率に大きく影響します。 | ・上司とのコミュニケーション不足 ・同僚の理解不足 ・相談しづらい環境 などがストレスの原因になることがあります。 |
| 配慮不足 | 障害者雇用では、 ➡合理的配慮が重要です。 | ・指示方法の工夫 ・業務量の調整 ・定期的な面談 ・通院への配慮 などが不足すると働きづらさにつながります。 |
| 体調管理の難しさ | 体調悪化が、 ➡離職につながるケースも少なくありません。 | 特に精神障害や発達障害では、 ・ストレス ・睡眠不足 ・環境変化 によって体調を崩すことがあります。 |
定着率を上げる方法
①仕事内容を適切にマッチングする
定着率向上のためには、
本人の障害特性やスキルを理解したうえで、業務を割り当てることが重要です。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 得意なこと
- 苦手なこと
- 必要な配慮
- 過去の就労経験
採用前の情報共有が十分である➡ミスマッチを防ぎやすくなります。
➁定期面談を実施する
定期的な面談は、職場定着に効果的です。
面談では、
- 業務上の悩み
- 人間関係
- 健康状態
- 配慮の見直し
などを確認します。
問題が大きくなる前に対応できる➡早期離職の防止につながります。
➂合理的配慮を提供する
2024年4月から民間企業にも合理的配慮(障害者差別解消法)の提供が義務化されています。
具体的には、
- 口頭指示を文書化する
- 休憩時間を調整する
- 業務手順を明確にする
- 作業環境を整備する
などがあります。
一人ひとりに合った配慮を行うことが定着率向上の鍵です。
➃相談しやすい職場を作る
悩みを抱え込まない環境づくりも重要です。
例えば、
- 上司との定期面談
- メンター制度
- 相談窓口の設置
- 支援機関との連携
などが効果的です。
相談先があることで、不安やストレスを軽減しやすくなります。
⑤ 支援機関を活用する
障害者雇用では、外部支援機関との連携も有効です。
主な支援機関として、
- 就労移行支援事業所
- 障害者就業・生活支援センター
- 地域障害者職業センター
などがあります。
企業と本人の間に第三者が入ることで、問題解決がスムーズになる場合があります。
障害者本人ができる定着率向上のポイント
●【自分の障害特性を理解する】
働き続けるためには、
➡自分の得意・不得意を理解することが重要です。
- 苦手な業務
- ストレス要因
- 必要な配慮
を整理しておきましょう。
●【無理をしすぎない】
頑張りすぎることで体調を崩してしまう人もいます。
困ったときは、
➡早めに相談することが、長く働くための重要なポイントです。
●【配慮が必要なことを伝える】
企業側が配慮を行うためには、
➡本人からの情報提供も必要です。
遠慮せずに相談し、働きやすい環境を一緒に作っていきましょう。
定着率を上げる企業の特徴
定着率が高い企業には共通点があります。
- 障害への理解がある
- 定期面談を実施している
- 合理的配慮が充実している
- 支援体制が整っている
- キャリア形成を支援している
採用だけでなく、入社後のフォロー体制に力を入れている企業ほど定着率が高い傾向があります。
まとめ
<定着率を上げるためには職場環境と支援体制が重要>
障害者雇用の定着率を上げるためには、仕事内容とのマッチング、合理的配慮、相談体制の整備が欠かせません。
また、企業だけでなく本人も自分の障害特性を理解し、必要な支援を伝えることが大切です。
長く働き続けられる職場づくりには、「採用後の支援」が最も重要なポイントといえるでしょう。
| 定着率を上げる方法 | 企業がすること | 本人がすること |
|---|---|---|
| 採用前に情報共有 | 本人の障害特性を理解する | 自分の障害特性を理解し、伝える |
| 早期離職の予防 | 問題が大きくなる前に定期面談の実施 ・体調の確認 ・人間関係の確認 ・業務の確認 ・配慮の確認 | 無理をしすぎない |
| 合理的配慮の実施 | 一人ひとりに合った配慮の実施 | 配慮が必要なことを伝える |
| ストレスの軽減 | 悩みを抱え込まない環境作り(仕組み) | 早めに相談 |
| その他 | 外部機関との連携 |
《内部リンク》合理的配慮とは?
《参考》
厚生労働省「合理的配慮指針」
JEED「障害者雇用実態調査」